訓練

嚥下(えんげ)体操

嚥下(えんげ)体操

 嚥下(えんげ)とは、“飲み込み”のことです。口の周囲・舌・首などの筋肉を使い、食べ物・飲み物をのどを通らせて食道まで送り込む一連の動きのことを言います。高齢者の方で物を食べたり飲んだりする時に、むせたり咳き込んでしまう方が多いのは、加齢と共に嚥下機能が低下してしまい、通常食道へ行かなければいけない物が気管へ入り込んでしまうためです。
 嚥下体操は、嚥下運動にかかせない筋力を鍛えるための体操です。体の筋力も鍛えなければどんどん衰えていくように、嚥下運動に必要な筋力も鍛えなければどんどん衰え、飲みこむことが困難になってしまいます。また、誤嚥性肺炎の予防にも効果的だと言われています。お食事前など生活リズムに取り入れ、日頃から継続して行うと良い結果が付いてくることでしょう。

スマイルおすすめ! 『あいうべ体操』

 『あいうべ体操』は、嚥下体操のひとつで人間が本来行うべき鼻呼吸を促進させるための体操です。筋力も鼻呼吸の仕方も鍛えられるので、誤嚥の予防には最適です。また、歯周病やむし歯の予防にもつながるため口腔ケアにも役立ちます。(参考元:みらいクリニック)

あいうべ体操
  • 口を大きく使って『あ〜い〜う〜べ〜』と動かします。
  • できるだけ、大げさにやることを意識しましょう。
  • 声は小さくても大丈夫です。
  • 1セット4秒ほどかけて、ゆっくりと行います。
  • 一日30セットを目標に始めてみましょう。
  • あごに痛みを感じる場合は『い〜う〜』だけでもOKです。

唾液腺マッサージ

 唾液腺というのは、口腔内にあるだ液を分泌させるポイントのことをいいます。耳の付けねあたりにある『耳下腺(じかせん)』、あごの骨の内側にある『顎下腺(がっかせん)』、あごの先のとがった部分の内側、舌の付け根にある『舌下腺(ぜっかせん)』の3つがあり、その3カ所をマッサージすることで、だ液の分泌を促進させます。
 だ液によって口腔内が潤うことは、体全体の健康にも良い影響を与えます。特に高齢者の方は、だ液の分泌量が低下するため、意識的に唾液腺マッサージを継続させることをおすすめします。

唾液腺マッサージ

 唾液腺マッサージの手順をご紹介します。マッサージをする際は、マッサージをする位置をしっかり確認してから行うようにしましょう。食事前に1〜3を2・3回繰り返すのが効果的です。

人差し指から小指までの4本をほほにあて、上の奥歯のあたりを後ろから前へ向かって10回まわします。 親指をあごの骨の内側のやわらかい部分にあて、耳の下からあごの下まで5カ所くらいを順番に押します。各ポイント5回ずつ押しましょう。 両手の親指をそろえ、あごの真下から舌を突き上げるように10回、ゆっくりグーッと押します。

口腔周囲筋ストレッチ

口腔周囲筋ストレッチ

 口腔周囲筋とは、唇・ほほ・あご・舌などの口の周りの筋肉のことを指します。食べる時や話す時には欠かせない筋肉です。その口腔周囲筋も加齢と共に衰え、高齢者の方でうまく食べられない・話せないという方がいらっしゃるのはこのためです。
 口腔周囲筋は、ストレッチすることで筋肉の動きを改善させることが可能です。日頃から継続して行うように心がけましょう。

舌のストレッチ

 舌を鍛えるためのストレッチです。だ液腺マッサージとしてもご紹介した通り、だ液の分泌も促進されるので口の機能を高めるのにも効果的です。

人差し指から小指までの4本をほほにあて、上の奥歯のあたりを後ろから前へ向かって10回まわします。 親指をあごの骨の内側のやわらかい部分にあて、耳の下からあごの下まで5カ所くらいを順番に押します。各ポイント5回ずつ押しましょう。 両手の親指をそろえ、あごの真下から舌を突き上げるように10回、ゆっくりグーッと押します。

唇のストレッチ

 唇を鍛えるためのストレッチです。唇が乾燥してガサガサなときは、リップクリームなどで保湿してやわらかくしたあとに行ってください。

唇を上下それぞれに3分割した1〜6の部分を自分の唇で確認しましょう。 1〜6の部分を、それぞれ人差し指と親指でつまみます。1カ所につき5回程度伸ばしたり縮めたりとストレッチさせましょう。

顔のストレッチ

 顔全体をほぐすマッサージにちかいストレッチです。入れ歯をしている方は、必ずはずしてから行うようにしましょう。

顔全体を両手で覆います。 口のまわりを、手のひらを使って後ろから前に円を描くように何回かゆっくり回し、ほぐします。 頬を中心として、後ろから前へ半円を描くようにグルンと上から下、下から上へ動かします。 3の頬周りがだいたいほぐれたら、そのまま、こめかみの方まで進みます。

口腔内ストレッチ

口腔周囲筋ストレッチ

 口のストレッチは、外側からだけではありません。もちろん、口腔内からのストレッチも効果があります。口腔内のストレッチは、だ液の分泌も促進させ、粘膜のケアとも重なる部分があるので、意識的にやると一石何鳥にもなる優れものです。
 口腔内のストレッチは、口腔内が潤っていることが必要になります。口が乾燥しがちな方は、ブクブクうがいや保湿剤などで口腔内を保湿してから行いましょう。もちろん、食べかすなどで汚れていてもいけません。

頬のストレッチ

左右の頬を、頬を膨らませるようなイメージで内側から外へ向かって伸ばします。 左右それぞれ、5〜6回ほど行いましょう。

唇のストレッチ

左上・左下・右上・右下の4カ所で行います。それぞれの部分の、唇と歯・歯ぐきの間にスポンジブラシを入れます。 スポンジブラシを奥から手前に向かって3〜5回ほど動かしましょう。

上あごのストレッチ

上あごにスポンジブラシをあてます。 のどの方から手前に向かって、軽くさするように3〜5回ほど動かします。

口腔底(舌の下の部分)のストレッチ

口腔底にスポンジブラシをあてます。 奥から手前に向かって、軽く3〜5回ほど動かします。

舌のストレッチ

舌の上にスポンジブラシをあてます。 あてた場所を、負荷がかかるていどにまっすぐ下へ押します。 2を3回ほど繰り返します。

ガムラビング

ガムラビング

 ガムラビングとは、器具を使わず指を使って行う歯ぐきのストレッチのことです。器具を使うよりも、力加減の調節がききやすかったり、人の手の安心感があったりと口腔ケアが苦手な方や慣れていない方におすすめです。
 また、ガムラビングには以下の4つの効果も期待できると言われています。
飲みこむ運動を促進させる
口腔内の感覚を高める
だ液の分泌を促す
歯ぐきや粘膜の血行を促進させる

ガムラビングの手順

人差し指を、唇と歯ぐきの間に滑り込ませます。 人差し指の腹の部分を、奥歯の歯ぐきにあて、前歯の方に向かって、歯ぐきをやさしくこすります。 1・2のマッサージを左右上下の計4カ所で行います。

 相手の方にガムラビングをするときは、『ももたろうさん』の歌を口ずさみながら行うと、リズムもよく楽しんでストレッチができます。理想は1カ所につき「ももたろさん ももたろさん お腰に付けたきび団子 ひとつ私にくださいな」の1番をまるっと歌えると良いですが、状態や様子を見ながら調節するようにしましょう。

パタカラ

 パタカラ体操とは、食事の際に食べ物をうまくのどの奥まで運ぶための動作に必要な口の動きを鍛える体操です。『パ』『タ』『カ』『ラ』の発音の仕方によって食べるときに働く筋肉を鍛えることができます。

パタカラ、それぞれの意味

『パ』 = 唇を閉じる運動
『パ』のような破裂音は、発音するときに唇を一度ぎゅっと閉じます。この動きが、唇をしっかり閉じるためのトレーニングにもなり、食事のときの食べこぼしなどが軽減されます。
『タ』 = 舌で上あごをグッと押す運動
『タ』を発音するときは、一度上あごに舌をグッと押し当てます。食べ物を噛むときや飲みこむときには、舌は上あごにしっかりついていなくてはいけません。『タ』の発音はそれらの動作に必要な筋力を鍛えます。
『カ』 = のどの奥に力入れる運動
『カ』の発音は、のどの奥に力を入れてのどを閉めます。食べ物を食道へ運ぶためには、一瞬息をとめ気管を閉じる必要があります。『カ』を発音するときのように、スムーズにのどの奥に力が入るよう鍛えるます。
『ラ』 = 舌を丸める運動
『ラ』を発音するとき、舌を丸め先を前歯につけます。舌を丸める動きは、舌の動きをスムーズにする効果があり、食べ物を口腔内まで運び、飲み込むために必要な舌の筋力を鍛えます。

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