●就寝時に入れ歯を外す大きな3つの理由
- 1.あごや歯ぐき、粘膜など口腔内を休ませるため
- 2.口腔内の細菌の増殖を抑えるため
- 3.小さな部分入れ歯の場合、誤飲の恐れがあるため
- 2.は、長時間口を動かさないことに加え、就寝時はだ液の分泌量が低下します。それらにより、細菌の増殖が活発になってしまうため、異物である入れ歯を外し抑制させることが大切になります。
入れ歯にも様々な種類があります。基本構造を知り、口・体の状態や生活スタイルなど、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
食事や会話の時だけでなく、お手入れ時と就寝時以外はつねに入れ歯を口に入れておくようにしましょう。
口に合った入れ歯は、噛んだり話したりすることをだけではなく、体の軸を安定させるためにも大切な役割を担っています。あごの位置が安定することで、頭の位置も安定します。合った入れ歯を入れることであごの位置が安定し、体のふらつきが減少します。また、転倒しそうになっても奥歯をグッと噛み合わせ、力をいれることで耐えることもできます。
但し、無理は禁物です。入れ歯を入れておくことが困難な場合は適度に外すようにしましょう。入れ歯をしばらく外しておくときには、お水を入れた保管用の容器に入れておきましょう。入れ歯は乾燥に弱いので、ティッシュにくるんでおいたり、そのままポケットに入れておくようなことはしないでください。破損しやすくなってしまいます。
入れ歯は、しっかしとお手入れをして、水を張った専用の容器に入れて保管しましょう。就寝時は長時間つけておくことになりますので、義歯洗浄剤を溶かしたものを使用することをおすすめします。 但し、義歯洗浄剤を使うからといってブラシで入れ歯を磨かなくても良いというこではありません。あくまで入れ歯についた細菌の繁殖を防ぐためのものなので、専用のブラシでしっかり磨いて汚れや細菌を落としてから入れるようにしましょう。 また、入れ歯に義歯洗浄剤が付着したまま口に入れると炎症を起こすこともあるので、使う前にも流水につけながらブラシで洗い、義歯洗浄剤を落としてから使うようにしましょう。
義歯安定剤とは、食事や会話の際、入れ歯がずれないよう安定させるためのものです。土台である義歯床の内側に用材を塗り、歯ぐきや上あごとの粘着性・密着性を高めることで安定させます。口が渇きやすいなどの理由で入れ歯がずれてしまう方によく使われています。 しかし、入れ歯がずれる理由は口腔内の乾燥だけでなく、自分の口に合わなくなってきた場合もあります。合わない入れ歯は、あごの骨を変形させたり、噛み合わせが悪くなる原因になります。ずれるからとすぐ義歯安定剤に頼るのでは無く、まず歯科医師に相談し、安定剤を使う場合も正しい使い方やアドバイスを受けてからにしましょう。
チューブ入りのものが多くみられる、クリーム状の安定剤です。だ液などから水分を含み、粘着性を発揮します。
入れ歯をブラシで洗うなどしっかりお手入れしたあと、余分な水分を除去します。 | 安定剤を義歯床の歯ぐきにあたる部分に薄く塗布します。塗りすぎるとはみ出してしまうので、使い始めは少しずつにして様子をみるようにしましょう。塗布する時は、専用グローブを使うと良いですが、扱いにくくなるようなら素手でもかまいません。但しその場合は、入念な手洗いと消毒を施してからにしましょう。 | 入れ歯をはめて、安定するまで1分間ほど押さえます。 |
粉状の安定剤で、薄付きできるので快適に使用できます。クリームタイプ同様、だ液などの水分を含み、粘着性を発揮します。
入れ歯をブラシで洗うなどしっかりお手入れしたあと、洗い立ての水分を残したままの状態にしておきます。 | 安定剤を義歯床の歯ぐきにあたる部分に振りかけます。 | 逆さにして軽く振り、余分なパウダーを落とします。この時しっかり振り落とすことで薄付きになり、使い心地が良くなります。 | 入れ歯をはめて、安定するまで1分間ほど押さえます。 |
クッションタイプは、歯ぐきと入れ歯の間に厚みを持たせることで安定させるため、入れ歯が歯ぐきにあたる痛みを和らげる効果もあります。同じものを2〜3日連続して使うことも可能です。但し、金属床の入れ歯には使えません。
入れ歯をブラシで洗うなどしっかりお手入れしたあと、余分な水分を除去します。 | 安定剤を義歯床の歯ぐきにあたる部分に伸ばしながら付着させます。専用グローブを使うか、素手の場合は入念な手洗いと消毒を施してから付けるようにしましょう。 | 一度、入れ歯をはめて2〜3回噛みしめ、安定剤を広げるイメージで全体に行き渡らせます。 | 3の後、入れ歯を外し、はみ出た部分をはさみなどで取り除きます。安定剤をきれいに整えてから再度入れ歯をはめ、使用を始めます。 |
入れ歯の外し方にも正しいやり方があり、種類によって異なります。ちゃんと口に合った入れ歯なら正しい方法を使って簡単に着脱できます。
入れ歯を無理に外すと、口腔内を傷つけたり、入れ歯自体を変形させる恐れがあります。また、外しにくいということは、入れ歯が変形してしまった・入れ歯が口に合っていない・むし歯や歯周病があるなどの可能性も考えられます。正しい方法を使っても外しにくいようなら、一度歯科医師に相談してみるといいでしょう。
クラスプがある場合、クラスプを支えとなっている歯から外すように動かしてから、入れ歯全体を外します。
入れ歯のクラスプに、指や爪を引っかけます。 | 残っている歯に、クラスプを引っかけていない空いている指を沿えます。 | 指を沿えた歯を支点に、両手に同時に力を入れすぽんと外します。 |
総入れ歯は、義歯床と上あご・歯ぐきなどの間に空気を入れることで外れやすくなり、コツをつかめばカパッと簡単に外せます。大きな入れ歯を口から出すときに、口が開かなくて出しづらいと感じたら、口の周りの筋肉をマッサージしてほぐしてあげましょう。
入れ歯の前歯の部分を持ちます。 | 奥歯のほうを、上あご・歯ぐきといった粘膜から浮かせるように空気を入れます。 |