- 口腔ケア講座
- テーマ「口腔ケアの基礎知識と
- うがいができない方の口腔ケア」
- 日時:6月13日(月)
- 場所:特別養護老人ホーム
こころの丘 高山
『口腔ケア』とはその名の通り、歯だけでなく、お口のケア全般を言います。口腔内を清潔・健康に保ち、お口の働きを良好に維持するためのケアです。お口の状態・機能が正常であることは、心身の健康に大きく影響します。口腔内を清潔に整えることは病気の予防につながり、しっかり噛めることや、お口から食べ物を食べられることは免疫力の向上や脳の活性化につながります。また、食べること・話すことは心のゆとりを生み出します。お口の重要な働きを良好に維持させるために、口腔ケアは大切です。健康かつ、その方らしい生活を続けるために、口腔ケアは重要な存在と言っても過言ではありません。
65歳以上の高齢者の方の死亡原因のうち、4番目に多いのが「肺炎」です。そのなかでも、約7割が「誤嚥(ごえん)性肺炎」だと言われています。誤嚥性肺炎とは、口腔内の細菌や逆流した胃液が肺に流れ込むこと(誤嚥)が原因で、発症する肺炎のことです。病気や加齢により咳反射・嚥下(えんげ)反射の力が低下することで引き起こされます。誤嚥性肺炎を予防するためには、まず口腔内が清潔であることが重要です。調査によれば、口腔ケアをすることで、お口の中を清潔に保ち細菌を減らすことによって、肺炎の発生率を40%減少させる効果があるとの結果が出ています。
特に高齢者の方にとっては、インフルエンザと言えど致命傷となってしまうケースは多くあります。お口は栄養の入り口であるとともに、細菌の入り口でもあり、日頃からお口の中を清潔に保つことは、効果的な予防法のひとつとされています。また、お口の中を乾燥させないように、しっかりと唾液をだすことも予防になります。最近の研究では、口腔ケアによるインフルエンザ予防効果が明らかになり、インフルエンザの発生率を1/10までに抑えることができると言われています。
お顔がおひとりおひとり違うように、口腔ケアの方法もそれぞれ違います。お口の中はもちろんのこと、利用者様の体の状態や生活環境・習慣など全てを考慮して、その利用者様にとって『どんな方法が良いか』『どんなことをさせていただけるか』を考えています。口腔ケアを受けてくださる全ての方々の〝お口の力〟を引き出せるようなケアであること、そして何より利用者様にとって〝心地よい口腔ケア〟であることをめざし、日々邁進しております。
スマイルネットは以下のような理念をもち
患者さんにとって心地よく満足していただける口腔ケアをめざしています
- 高齢者の口腔ケアを通じ社会貢献する
- 口腔ケアを広く地域に普及させる
- 患者さんとの信頼関係を築き、患者さんのための口腔ケアを行う
- 患者さんが満足する口腔ケアを提供するため、常に技術向上に努める
- やさしさと思いやりをもってケアをさせていただく
毎日の口腔ケアの積み重ねが、お口と全身の健康につながります。
私たちがそのお手伝いをさせていただきます。
利用者様の状態や環境など全てを考慮したうえで、その利用者様に合わせた方法・手順でケアを行っていきます。ここでは、基本となるケアの内容をご紹介します。
- お口のチェック
毎回、ケアを始める前にお口の中をチェックさせていただきます。
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- ●ムシ歯の有無
- ●歯肉のようす
- ●口臭
- ●舌や粘膜のようす
- ●唾液の分泌(口腔乾燥)
- ●入れ歯の調子など
- お顔のマッサージ
口の中で重要な働きをしている唾液の分泌をよくするために行います。また、口腔機能の維持や改善、利用者様へのリラクゼーション効果、衛生士とのコミュニケーションなども目的としています。
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- ●顔のマッサージ
- ●歯肉のマッサージ
- ●粘膜のマッサージ
- ●頸部その周囲のマッサージ
- ●舌の運動
- お口の清掃
専門の用具を使いプロフェッショナルな、お口の清掃をします。
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- ●歯の汚れをとる(歯ブラシ・歯間ブラシ等)
- ●舌・粘膜のケア(スポンジブラシ・ガーゼ等)
- ●入れ歯の清掃