蜻蛉

 

雨ばかりの変な夏も終わろうとしています。もうすぐ季節は秋へと移り、また冬に向かうのだなー、と少々寂しい気持ちになります。

先日、ある利用者様にそんな話をしていると、いつもは口数の少ないその方が「そっかー、もう秋なのか…。子供の頃、田んぼに沢山蜻蛉が飛んどって、みんなでホウキで叩いて捕まえたなー。蜻蛉の目の前で指をグルグルして。親が藁で編んでくれた虫カゴに入れたなー…」と、ポツポツと話してくださいました。「懐かしいなー」とおっしゃる顔は、それまで見たことないような、何とも優しい笑顔でした。

私も、そーそー、子供の頃グルグルして捕まえたなーと。高校の体育祭の頃には、グランドいっぱいの蜻蛉が飛んでいたのも思い出しました。

何だか、蜻蛉って懐かしいんですよねー…。

いつもより、楽しそうにお話ししてくださったその方の表情と、蜻蛉がしばらく私の頭の中でリンクしていました。

R3.8

 

川上ちえこ