父のこと

 

私の父は今年の5月に永眠しました。末期癌でした。

昨年の9月に受診した時には、大変難しい状況であることを、医師から説明されていました。

 

それでも、父は生きる希望を失わず、辛い治療に果敢に挑んでおりました。

 

家族はそんな父を必死でささえました。

 

そうです。 必死なのです。

 

この父の病気で経験したのは、癌患者の家族という立場です。

 

日々変化していく父の病状に一喜一憂しながら、わからないまま進んでいく毎日にたくさんの不安と、悲しみを感じていました。

 

わからないということのあいまいさは、ただでさえ不安な思いをしている中、さらなる不安に襲われます。

 

私は歯科に携わっていますから、父の口腔ケアや飲み込みについて、フォローすることができました。

お口のケアはかなり重要です。強い口腔乾燥とともに、痰や上皮がこびりつき、飲み込みや呼吸が困難にもなります。口腔ケアをする事で、ずいぶん楽になるようです。

 

不安な中にいらっしゃるご家族様の声が私たちのもとに届き、すぐにフォローすることができる方法はないかと考えています。

 

口腔ケアの大切さを広くお伝えせねばなりませんね。

R1.8

 

訪問歯科衛生士 川上佳奈美